2013年03月の天体観測日誌です。この頃に星を眺めてて思ったり起きた出来事をまとめました。(´ω`*)
本稿は、2013年03月に投稿した天体観測にまつわるエピソードのまとめです。各章はそれぞれ独立した1ページとして存在してたものですが、記事数増加によるデータ圧縮の必要性から1本に集約しました。(2015-09-06)
パンスターズ彗星( C/2011 L4 PANSTARRS )まとめ
同時期(2013年春期)に話題となったパンスターズ彗星( C/2011 L4 PANSTARRS )関連の記事はこちら。
パンスターズ彗星( C/2011 L4 PANSTARRS )到来!
パンスターズ彗星・観察日誌。
あの夜に見た天の川
【初稿発表:2013-03-11】
あの日から、今日で2年経ちました。
絶対に忘れない…なんて書いといてアレですが、人の記憶というのは非常にあやふやなものです。かつて事故で自分の名前さえ曖昧になった経験があるから、余計にそう思うのかも知れません。
だから今さらだけど、少しだけあの時のことを書き留めておきます。
3月11日の夜、停電した中でまず最初にしたのは七輪での火熾しでした。
うちは電気がないと炊事も暖房も止まるから。でも小型ソーラーパネルは複数備えていたので、乾電池に限って言えば困らなかったし、情報も途絶えず入ってました。
その火守をしながら仰いだ空の、それはそれは綺麗だったこと。
蔵王の麓に住んでた頃を思い出さずにはいられない星たちに、息も出来ないくらい胸を締め付けられたけど 目をそらすことも出来なかった。
南に輝くシリウス、そしてそこから立ち上がる一等星達を眺めながら、天頂に向かって星をひとつひとつ辿り始めたら北の空まで途切れず光が繋がっていた。
あの記憶が幻でないなら、闇夜に浮かぶ光芒は紛れもなく天の川だった。
柔らかなカーブを描いて北の空へと向かう淡い道筋は「人の想いを運ぶために開かれた滑走路」だったのではないかと、今もときどき思いかえすことがあります。
あれから2年を経るまでもなく、その道は再び閉ざされました。他ならぬ光そのものによって。
でも、復旧した新幹線で会いに行った旧友が笑顔で迎えてくれたから、なんだかすごく救われた。もちろん不意に見せる影はあるけど、そんなのない方がおかしいのだし。
今も街灯越しの星を仰ぎながら、ときどき思いかえすことがあります。
漆黒の空に浮かぶ、あの、光り輝いていた道を。
作図 4D2U Mitaka
735 / 旧URL /2013/03/11/over-the-milkyway/
半月(はんつき)で巡る半月(はんげつ)と節気
【初稿発表:2013-03-05】
3月5日は下弦の月で、節気の
ちなみに、きたる今月20日の上弦月は春分の日、先月の上弦月は雨水だったし、旧正月は新月でした。節気のどこかで月齢の節目がくると、しばらく続くことが多いです。
今年の第1四半期は二十四節気と半月(はんげつ)の重なる日が多かったので暦好きとしては地味~に盛り上がっております。
そもそもこの二十四節気、一年を24等分して名前をつけたものです。地球と太陽の関係が15度(=360度/24分割)変わるたびに区分が変わるので、約15日おきに移り変わってることになります。
一方、天体のお月さまは上弦の月と下弦の月を約15日ごとに繰り返してるので、ある
ややこしく見えるけど、昔の人はそうやって時の移ろいを感じてたのかなと思うのです。
ただ、節分は二十四節気に含まれないので ちょっとカウントをズルしてることになるんですけど。それでも、節分は立春の前日に当たりますから、2月を含む このタイミングもグッと来るポイントではありますね。
それにしても。この三つの月は「見かけの大きさ」も「欠けるときの角度」も出来るだけ忠実に再現したので重ねると模様の感じとか全部違うんですけど、言わないと全然判らないですね。><
851 / 旧URL /2013/03/05/half-moon/
今夜は月面X! …と謎のトレイル
【初稿発表:2013-03-20】
月の表面にxが浮かぶ月面X。なんでも エ~ックス!って叫びながらジャンプする人がいるとかいないとか。
相変わらずパンスターズ彗星を見ることが出来ずにいるんですが、天体ショーはそれだけにあらずってことで、月面Xです。
上記 山田陽志郎氏のサイトをご覧頂ければ判るとおり、月面Xとは上弦月の頃にクレーターと満ち欠けの具合によってエックスの形に浮かび上がる陰影模様です。
上弦月ならいつでも見えるって言うわけじゃなくて条件にも依りますが、観測出来るのは数ヶ月に一度くらいでしょうか。月の満ち欠けは一晩の間にも結構進むのであって、ちょうどそこに影が差すのは毎回ほんの1時間ほど。
でもガスってて写りませんでしたけどね。望遠鏡覗いてる間はそこそこきれいに見えたんですが、カメラの調整してるうちに終わった…。(´・ω・`)
カメラの設定に苦労したのは、月から東西に延びてた謎の光を映そうとして露出を変えたせいですが。太陽からの風を受けて彗星さながらの尾を引いてるように見えました。当地は関東南西部ですけど、他に見た方いらっしゃいます?
詳しい方に訊ねたけど判らずじまいでした。…なんだったんだろ、あれ。(?_?)
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816 / 旧URL /2013/03/20/x-on-the-moon/
夜桜と月と乙女の真珠
【初稿発表:2013-03-29】
昨晩、月とスピカの接近がありました。「真珠星」はおとめ座スピカの和名です。春の夜空に白く光って涼しげ。
満月近くの月ってほんと明るいですよね。この一週間ほど、ずっと曇り空でまともに月を見てなかったので久々に対面した月の輝きにすっかり見入ってしまいました。
特に夕べはおとめ座の一等星スピカと月の競演が予定されてたので、それを楽しみに家路に向かってたところ あれよあれよという間に 文字通り雲行きが怪しくなってきて。
帰宅して慌てて撮った一枚は、もう半分薄雲の向こうに隠れてスピカなんて影も形も見えない状態になってました…。わはは。
残念だな~と思いながら寝支度を済ませて、ふと窓の外を見たらガッスガスだけどまた月が出てきた!なんとかスピカも見えてます!はー。えがった、えがった。
月と星のニアミスイベントは星探しの入門にオススメですよ。12星座は月や惑星の通り道なので、星の集合が起こりやすいのも楽しみの一つ。満月に近いと月の方が眩し過ぎて星が目立たないのが難点ですけど。
【追記 : 2013/08/12】
2013/08/12、月の裏におとめ座のスピカが隠れるスピカ食があります。
地域によって多少時間が前後しますが、18時40分ごろ南東北以南(正確には岩手と秋田の南部も含む)で観測出来ます。夕方の西空、三日月のすぐそばに明るい星があればそれがおとめ座の一等星スピカ。まず月の影の部分から隠され、明るく光ってる側から出てきます。
ここのところ湿度が高空の状態が悪いのですが、次回のスピカ食は11年後の2024年8月10日となるので是非見たいものですね。
【追記 : 2013/09/09】
今日(2013/09/09)も夕方の西空で土星・三日月・金星・スピカと明るい星が一直線に賑わいます。
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1298 / 旧URL /2013/03/29/sakura-moon-spica/
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